血管寿命を伸ばすには?ストレッチが効果的な理由
最近、健康雑誌などでも血管寿命とか、血管年齢という言葉を良く聞くようになりましたね。日本人の死因のトップ5には、つねに血管が破れたり詰まったりすることで起こる脳血管疾患や心疾患がつねに上位に入っています。
また、高血圧や糖尿病といった生活習慣病の背後にも動脈硬化が隠れています。このように日本人の多くが血管寿命が尽きて死んでいると言っても言い過ぎではないでしょう。
そして、年齢を重ねるにつれ衰えるのは、心臓や胃腸、肺といった大きな臓器だけではありません。普段意識しずらい血管も、加齢によって大きな影響を受けます。
そこで、まず知っておいていただきたいのが、血管も筋肉でできているということです。人間の血管は3つの層からできていて、外側から外膜、中膜、内膜と大きく分けることができます。
考えてみてください。体内の血管は、まわりも筋肉でびっしり取り囲まれています。その筋肉が固まった状態では、血管を自由に動かし、伸ばしたり広げたりすることはままらないですよね。
実際、体が硬い人は柔らかい人よりも動脈硬化が進行している、という研究調査があります。
中高年の体力をみるとき、体の柔らかさをあらわす柔軟性は体力の重要な要素となる。座位体前屈で体が硬くなっている中高年では、動脈硬化の傾向が強くなるという研究が発表された。動脈硬化があると、心臓病や脳卒中などの動脈硬化性疾患をまねきやすくなる。
例えば、靴下をはくのがつらい、あるいま前屈みができないといった人は、血管がかなり硬くなっている可能性が高いのです。
固まった血管をほぐすうえで効率的なのは、体のいちばん筋肉の量が多く、太い血管も通っている脚のストレッチです。
血流が悪い人は下半身に血流が溜まりがちになりますが、脚をストレッチすれば、溜まった血をしっかり心臓へ押し戻す効果も期待できますね。
血管が筋肉からできているということは、血管も体の他の部分と同じように、ストレッチしたり、鍛えたりできるということに他ならない。
きちんと整備さえ怠らなければ、衰えた血管はふたたび元気になる。ただしそのためには正しい手順ややり方をふむ必要があります。
まずやるべきは、硬く凝り固まった血管をほぐすことです。血管をしなやかにすれば、高血圧も自然に下がるはずです。
血圧が高いからといってクスリに頼るのではなく、毎日の小さな積み重ねで、クスリのいらない血管をつくる。それこそが血管寿命を伸ばすために本当に大切なことだと思います。いまからでも、決して遅くはありません。