血圧の基準値を厳格に守るな!?
現在、日本高血圧学会の基準では上が140、下90以上が高血圧と定義されています。
ですが、このような基準を厳格に守ろうと躍起になる人ほど危ないと思います。
というのも、70代の女性患者さんで、血圧が160を超えるほど高くなると、心配になってしまい、下げるために降圧剤を一錠多く飲んでしまうという人がいるんです。
その結果、起立性低血圧で倒れて、救急に運ばれ絵うというケースも多いようです。
特に今はコロナで一人の時間が増えたことで、不安感が増して勝手に自己判断してしまうですね。
くれぐれも無理に血圧を下げようとして服用量を自分で調節してはいけません。
比較的安全な薬とされる利尿剤も、脱水を引き起こすことがあるので、夏場には注意が必要です。
また、これは私の叔母の話なんですが、以前にも夜中にトイレに起きて、転倒したことがあるんです。
ベッドに戻るときに、十分に足が上がらなかったみたいなんです。
幸い骨折はなかったものの、痛みに耐えながら家の中で杖を突く生活を強いられています。
私の叔母の転倒原因は2つあって、一つは言うまでもないですが運動不足。
もう一つは降圧剤の効きすぎによるふらつきです。
とりわけ排尿後は血圧が下がるので、かなりの低血圧になってふらいついたことが推測できます。
運動不足で、食事の量も減っていました。
倒れた日の夕食は、お茶漬けで軽くすませただけ。
それでも薬は今まで通り飲んでしました。
コロナによる運動不足で肥満になる人もいますが、反対にうちの叔母のように食が細くなる人もいます。
こうした人が降圧剤を飲み続けるのには注意が必要です。
調べてみると食事をきちんととれていない時には、中止したほうがいい薬もあるようです。
食事が取れなくて、上の血圧が100を切っているようなら飲まないほうが良い場合も。
極度の低血圧になって、ふらつき、めまいを起こして転倒する危険性が高いからです。
いずれにしても、血圧の基準値を厳格に守ろうとする人ほど危うく、無理に血圧を下げるのはリスクもあるということ。
気温が高くなってくると、自然に血圧が下がってくる人がほとんどです。
コロナ渦で変化した体調に気をつけて、降圧剤の見直し、場合によっては断薬を考えるいい機会になるかもしれません。